【後日編集予定です。申し訳ありません】
「お前の過去に口出しをするつもりはない。だが、あまり深く考え過ぎない事だ。」
「…あんたには感謝してるよ」
俺はカウンターから立ち上がると、吐き出した紫煙の行方を追っているイサキを背にその場を後にした。
ハウスを出て錆びれかけの繁華街を抜けると、町工場の群れが五十メートルほど続いている。それを横切りドブ川沿いをさらに下流に進むと、汚い掘っ立て小屋の建ち並ぶ一角が見えてくる。そのほとんど人が住んでいない廃墟の中の比較的まともな一軒が、俺に与えられた家だった。